MB wearを詳しく解説
MB Wear
MB Wearは、元プロサイクリストであるティジアーノ・ダラントニアとマルコ・バンディエラの2人によってスタートしたブランドです。この2人の長年の選手経験を製品づくりに活かし、上質な素材を使い、快適で丈夫で耐久性の高い製品を作ることを目標に始まりました。
MB Wearでは、自転車のみならず、ランニング、スキーといったスポーツ用の製品にも、同様の特徴を持たせています。
それぞれの製品には独特で特徴的な機能を持たせつつも、すべて同じ哲学のもとに作られているのです。
「When specifications are high, the difference lies with details.」
(高性能な製品の違いは細部に現れる、との意味)
これがMB Wear創業のモットーであり、目標であり、全製品の特長でもあります。すばらしい技術を使って開発した製品は、高レベルの快適性はもちろんのこと、アスリートのパフォーマンス向上をもたらすことができるのです。
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プロロード選手が興して急成長を遂げる、自転車専用ソックスメーカー。
イタリアの自転車用ソックスメーカー“MBウェア”(エムビーウエア)の創業者の一人、ティツィアーノ・ダラントニアが自社の成り立ちについて語ります。
ティツィアーノ
高級・高性能サイクリング用ソックスと言われてもピンとこない人が多いですよね。最近でこそ、高価なソックスが増えたし、いろいろな競技用も登場していますが、ソックスの機能や性能を見極めて購入している人となると、本当に珍しいでしょう。
MBソックスはプロロード選手だった私と、チームメイトのマルコ・パンディエラが立ち上げた会社です。今回は私たちの成り立ちと、製品に取り組む姿勢について、自己紹介がてら少し話をしたいと思います。私は2016年に引退するまで、10年ほどプロ選手でした。イワン・バッソのいた“リキガス”や“キャノンデールプロサイクリングチーム”に所属して、ジロ・デ・イタリアやクラシックレースにスプリンターとして参加していました。 |
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2014年、私は“アンドローニジョカトーリ・シデルメック”というプロチームでマルコと同室になりました。彼は叔父と作ったというソックスのサンプルを手に「明日、使って、感想を聞かせてほしい」と言いました。翌日、マルコに「今までのモノよりはいい。でも改良すれば、さらに良くなると思うよ」と伝えました。
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当時、チームから供給されていたソックスは粗末で、すぐにダメになってしまうようなモノでした。1回洗濯すると、くたびれてしまうのが当たり前だし、チームから供給されるので、大して不満にも感じていなかったですね。正直に言えば、問題だとも思っていなかった。しかし、質のいいソックスは快適で、可能性があると感じました
半年後、初めてのソックスが完成しました。色は白と黒の2色。レースで使い始めると「使ってみたい!」という選手が増え、200〜300足ほど配りました。当時、大手のウェアメーカーにとって、ソックスはコストをかけずに作るアクセサリーのひとつに過ぎませんでした。しかし、アスリートにとって、少しでもパフォーマンスが上がるアクセサリーは、誰もが欲しがるアイテムでもあった。
少しずつでしたが選手間で評判は高まり、2015年のジロ・デ・イタリアで数えてみたら出場している80%の選手が使っていました。選手から「もっと欲しい」というリクエストがあり、評判を聞きつけたサイクルショップからもオーダーの電話がかかり始めました。しかし、私たちは現役のプロ選手で、会社もブランドもありません。高性能ソックスの可能性を感じるとともに、私は引退後の新しい生活を考えました。
選手生活で貯めたお金の大半を使って、MBウエアを立ち上げました。製品作りの基礎を築いてくれたのは、マルコの叔父のリカルドです。
イタリアでも1、2を争う規模と、半世紀近い歴史で築き上げたノウハウは、MBウエアには欠かせないものでした。
やるべきことは、たくさんありました。製品を魅力的に見せるパッケージや、マーティング的な知識も必要です。幸いなことに、口コミによって注文は増え続けていました。だからこそ、さらに質を高めるには、どうしたらいいのか?
そこにフォーカスしました。そして完成したのが“ファンソックス”です。簡単に言えば、高品質の繊維にプリントを施したソックスですが、高性能な糸の性能を損なわずにプリントするには、温度管理やプリントの方法をはじめ、すべての工程で完璧なバランスが求められます。少しでもバランスが崩れると、糸にダメージを与えてしまう。言うほど簡単なことではないのです。
現在、サイクリング用の他にランニング用ソックスも生産していますが、両者は足のどこに圧力をかけるのかが大きく違う。オンロードサイクリングでは中足骨の辺りで振動を吸収させる。ロングライドのようなトータル負荷の大きなライドでは、中足骨の周辺をソフトにしてあげると疲れ方が変わり、MTBのようなオフロード走行では、振動をさらに吸収するエリアを踵側にも拡大させます。
スキー用ソックスの開発はナショナルチームと連携しているのですが、選手は足とブーツの一体感を大切にします。これはサイクリストにも似たことが言えますが、スキーヤーのほうが要求はシビアです。わずかな質感でも作り分けられるようになれば、将来的にサイクリストのリクエストに応えるときに役立つかもしれない。
他にも、シューズの中で足を安定させるためランニング用にもシリコンを採用します。ですが、左右で履き比べると快適性の違いに驚くでしょう。この違いを汲み取って、製品作りに活かしています。これは私たちが小さな積み重ねが、大きく成績を変えることがあるのを知っているから。
もし、自分には小さな違いが分からない……と不安に思うなら、左右で違うソックスを履いてみて下さい。わずかでも左右の違いを感じるでしょう。それが長い時間、体力の限界付近となったら、どうなると思いますか? アスリートの声に耳をかたむけるのは、彼らが極限までパフォーマンスを追求し、微細な違いを感じ取るからです。
当然、要求レベルも高くなりますが、期間を十分にとりながら開発を進めるのがMBウエアのスタンダードです。一度使っていただければ違いは分かってもらえるし、ずっと使えばコストパフォーマンスの高さに納得してもらえると自負しています。
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